フランチャイズオーガナイザーのブログ

某フランチャイズ本部長として、フランチャイズをオーガナイズならびに発展を仕掛ける仕事をしております。おかげさまで立ち上げたフランチャイズは加盟募集開始から3年で100店舗を突破しました。前々職のフランチャイザー時代には、オーナーコンサルタントチーム責任者としてFC店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経た現役のフランチャイズオーガナイザーとして、あるいは特殊なバックボーンを持つ者として、仕事の考えや思うことを発信していく所存です。

考察シリーズvol.2「不二家」③

不二家考察、第三弾です。
第二弾で、toC側面の不二家の歴史を一通り考察した中で、
2006年11月に起きた消費期限切れ牛乳の使用事件を把握。
今回はその事件にまつわるフランチャイズ的側面を考察しました。

今回参考にさせていただいたのは以下の5つのブログや記事です。

不二家Wikipedia
不二家 - Wikipedia

「起業を考える人と歩むOSA研究所」トピックス不二家にみるフランチャイズ起業のリスク/2007年1月17日
フランチャイズ、不二家 フランチャイズリスク

「まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記」不二家の事件に関する新聞報道/2007年1月20日
不二家の事件に関する新聞報道: まるちゃんの情報セキュリティ気まぐれ日記

フランチャイズ地獄からの脱出 藤原義塾からの報告書」不二家フランチャイズ加盟店問題 悲しきFC加盟店さんたちの今後は/2008年3月30日
フランチャイズ地獄からの脱出 藤原義塾からの報告書 : 不二家フランチャイズ加盟店問題 悲しきFC加盟店さんたちの今後は

フランチャイズ問題情報.com」フランチャイズ本部のブランド価値維持義務/東京地裁2010年7月14日判決/不二家消費期限切原料使用事件
フランチャイズ本部のブランド価値維持義務-東京地裁平成22年7月14日判決 「不二家消費期限切原料使用事件」 |フランチャイズ訴訟判例分析 |フランチャイズ問題情報.com

これらの内容を纏めますと以下のようになります。

2006年11月に発覚した消費期限切れの牛乳使用問題を皮切りに、
次から次へと問題が発覚し、品質管理のずさんな体制が明らかとなった。
2007年1月15日、当時社長の藤井林太郎氏が責任放棄する形で辞任表明。
これらの背景により、不二家は全店で自主的な営業停止へと追い込まれた。
これを受けて、本部から加盟店に対して、
休業補償として平常時の売上げの3割程度を補償する対応をした。
その後、本部は2008年3月まで加盟店救済措置として、ロイヤリティ=売上の5%の実質免除を続け、
同年4月からは仕入れの3%免除という形に引き下げて継続などの措置を取った。(どの時期まで加盟店救済措置が続いたのか、またその具体的な内容は不明)

だがそれらの対応は抜本的な解決ではなく、ただの応急処置に過ぎず、
1960年代にはフランチャイズ展開をスタートさせていた背景から、
2007年、2008年時点で多くの加盟オーナーが高齢になっており、
上記一連の事故を契機に廃業する加盟オーナーが多くいたのではないかと推測される。

当然に上記背景から廃業に追い込まれた加盟オーナーが、本部に対し訴訟を起こした事案もある。
消費期限切れ原料使用問題により店舗の休業を余儀なくさせられ、
その後、店舗を閉店するに至ったことから、本部に対し損害賠償の支払を求めた事案だ。
請求根拠は、本部が消費者の信頼、信用を保持する資質を有していなかったにも関わらず、
あたかも同資質を有しているかのようにして加盟店を募集し、
同資質があるものと誤信させ、フランチャイズ契約を締結させたことから、
これは詐欺による不法行為にあたるのではないか、ということが一点。
次に、仮に詐欺にあたらないとしても、本部は衛生管理、品質管理の適正さを客観的に担保する社内体制を構築していない旨の情報を、
加盟オーナーに提供すべき信義則上の義務があったにも関わらず、
これらの事実を秘して、あるいは、過失によりこれを自覚することなく、
フランチャイズ契約を締結したことから、契約締結上の保護義務違反にあたる不法行為という主張が二点目。
三点目は、フランチャイズ契約に基づくフランチャイズシステムのブランド価値を維持する義務を怠り、
もしくはフランチャイズ契約に基づく原・被告間の信頼関係を破壊したなどと主張し、債務不履行という要素。
結論としては、加盟オーナーの請求は棄却されている。
この結論の背景は、そもそもこの加盟オーナーの店舗が本件休業期間までの3営業年度がいずれも赤字であったことや、
その他、健全な経営体制とは言えない実態があったことから、
本部によるブランド価値維持義務違反行為と原告主張の各損害との間に因果関係があるということはできないという判断。
本部の義務違反行為と加盟オーナーの損害との因果関係を否定した。

だが一方で、ブランド価値維持義務違反の主張については、
本部がブランド価値の維持義務、すなわち、チェーン全体の評判や信用を守る義務に違反したことによる損害賠償責任を認めている側面もある。


考察③における3つのポイント
1, 2006年11月に発覚した消費期限切れの牛乳使用問題を皮切りに、品質管理のずさんな体制が明らかになった
2, これらの問題発覚により、全店で自主的な営業停止。本部から加盟店への救済措置はあったものの、応急処置に過ぎず廃業オーナー多数(←これは明確な根拠資料無)
3, まつわる訴訟では、加盟オーナーの背景から請求は棄却されたものの、本部のブランド価値の維持義務、チェーン全体の評判や信用を守る義務に違反したことによる損害賠償責任が認められた


ふむふむ。食品を扱うフランチャイズのネガティブな点がこれでもかと盛り沢山な事例ですね。
また、あらゆるフランチャイズ関連の訴訟の中で、
本部によるブランド価値の維持義務、チェーン全体の評判や信用を守る義務に違反したことによる損害賠償責任が一端の部分で認められたというのは希少です。
もし訴訟を起こしたオーナーが真っ当な経営をしていた方であれば、請求が認められる判決になった可能性もあると考えると、
食品や飲食関係の全てのFC本部は胡坐をかかず、真摯に且つ正確に把握するべき事案と言えますね。

次回は現状と今後の不二家という視点で、
①~③を踏まえて総括的に考察していきたいと思います。

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