フランチャイズオーガナイザーのブログ

フリグマ代表取締役/FCオーガナイザー&コアフランチャイジーの養成講習主宰/FC本部中枢歴10年/自ら立ち上げたFC→加盟募集開始→健全に3年100店舗実現/ビジネスチャンス連載/日経FCショー・FRAX TOKYOなどFC主要イベント登壇/2024年APAC・FCコンサルTOP10選出

新時代のフランチャイズvol.3「北海道うまいもの館」

久々の新時代のフランチャイズシリーズです。

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「考察シリーズ」との違いがややこしいと思いますが、
「新時代のフランチャイズシリーズ」は文字通り、
これまでのフランチャイズの常識を打ち破るような「新時代のフランチャイズ」要素がなければ、紹介しません!

さてさて、今回御紹介する新時代のフランチャイズは「北海道うまいもの館」です。
フランチャイズ関連の媒体で登場しているのをほぼ見たことがないので、
フランチャイズ業界人でも御存知ない方も多いのではないでしょうか。

北海道うまいもの館・FC化・FC展開・フランチャイズ

wonder-build.jp

北海道うまいもの館は、常設店舗型物産店です。
自分も正直勉強不足でしたが、
加盟開発のAちゃんが「こういうFCありますよ~」と共有してくれたことがキッカケで知りました。

少し調べると、フランチャイズオーガナイザー視点で斬新な要素が多く、
これは新時代のフランチャイズだ!と感じたため、
今回御紹介差し上げます。

「北海道うまいもの館」が新時代のフランチャイズである要素は5点です。

1, 催事を常設にした強気な方針
2, 前例なし!アンテナショップのFC展開
3, 北海道電力株式会社が地域活性化のために「北海道物産店ビジネス」をスタートした背景
4, 直営運営機能とFC本部機能を別会社で経営
5, 1県1オーナー制

 

1, 催事を常設にした強気な方針
物産展といえば百貨店やデパートの中で催事としてのイメージが強いですよね。
期間限定で、今しか買えないという付加価値が付くので、集客には非常に効果的です。
そんな背景がある中で、
常設で物産「展」ではなく物産「店」として営業するというのは、一言「強気」でしかないです。
ブランディングと販売力ノウハウに自信がないと踏み切れなかっただろうなと、想像に容易いです。

2, 前例なし!アンテナショップのFC展開
「北海道うまいもの館」は物産店でもあり、アンテナショップでもあります。
アンテナショップ - Wikipedia
アンテナショップと言えば、
東京都内で地方物産を購入できること、
あるいは例えば高知県出身の方が高知県のアンテナショップに行くと、
地元を感じることが出来るという、そういったワクワク感がありますよね。
ただ、だからこそ地方から上京している人たちが数多く存在する東京都内だから成立すると考えるのが一般的です。
つまり全国展開とほぼイコールのFC展開に不向きなはずなのです。
おそらくこういった背景はこのFC本部企業の皆様は百も承知なはずで、
食品の想起率が高い「北海道」のうまいもの(取り扱い品目は3,000種類以上)に絞ることで、
全国展開でも十分勝算があると判断したのでしょう。
一般的には難しいとされる領域からちょっとしたギミックで突破口を見つける、素晴らしいですね。
ちなみに余談ですが、
アンテナショップという表現は、
海外で使っても通じない和製英語のようです。

3, 北海道電力株式会社が地域活性化のために「北海道物産店ビジネス」をスタートした背景
なかなか情報がオープンになっていないので、
情報収集が難しかったですが、
どうやら北海道電力株式会社が地域活性化のために「北海道物産店ビジネス」をスタートしたことが、そもそもの始まりだったようです。
しかし東日本大震災の影響から営業権を手放さざる得なくなり、現在の会社に譲渡されたようです。
電力会社が「地域活性化のために」という立ち上げ時の想いが素敵で、
こういうところから派生したフランチャイズって希少だなと感じます。

4, 直営運営機能とFC本部機能を別会社で経営
そして3の譲渡を受けた会社が北海道フードフロンティア株式会社という企業のようです。
そしてこの企業を調べていくうちに面白いなと感じたのが、
前述の北海道フードフロンティア株式会社は直営店の運営だけを行い、
FC本部機能は株式会社ワンダービルドという別会社として経営しているようです。

北海道フードフロンティア株式会社
会社概要 | 北海道フーディスト

株式会社ワンダービルド
株式会社ワンダービルド

代表の方は両方共に同じ方なので、
実質同じ会社ではあるものの、個人的にはこういう手法は賛成です。
株式会社ワンダービルドは東京にオフィスがあるようですので、
おそらくこの意図は、元々が北海道の会社だったので、
そこでFC本部機能として成立させるには何かとデメリットが多いと判断し、
FC本部機能だけは東京に拠点を構えていこうという狙いだと思います。
今後、地方の企業がFC本部を立ち上げようという際にはヒントになるかもしれませんね。

5, 1県1オーナー制
最後になんと言ってもこれです。1県1オーナー制なんです。
FCオーガナイザー視点では、これがインパクトありましたね。
FC化しようと考え、この仕組みにしたいと思っても、リスクがあってなかなか実行できないアイデアだと思うので、
素直にこの実行力が素晴らしい!と感じます。

2018年3月からFC展開を開始し、
2021年3月時点で全国32店舗の進捗のようで、
増えてはいるものの、まだまだ加盟契約可能な都道府県は多いのではないかと推察します。
2年で急成長を遂げた「北海道うまいもの館」 コロナ禍でも新規店舗を続々オープン!|株式会社ワンダービルドのプレスリリース

ちなみに1県1オーナー制なので、
FC本部視点では、その都道府県で可能な限り出店数を積み上げていくであろう方に加盟いただきたいのが本音だと思うので、
加盟オーナーの性質としては法人に限られるかもしれません。
あるいは1県1オーナー制にして、そのオーナー達には「エリアフランチャイザー」の権限を委譲している可能性もあり、
その場合には個人の方でも加盟が可能かもしれません。

◆エリアフランチャイザーの例
沖縄県のA社が「北海道うまいもの館」に加盟。
その後に自分個人がどうしても沖縄県で「北海道うまいもの館」に加盟したい、出店したい、と希望した場合、
自分はA社とフランチャイズ契約を締結します。ワンダービルド社との契約ではないんです。
また、FC本部の考え方次第ですが、研修などもエリアフランチャイザーに任せるフランチャイズもあったりします。
つまり、エリアフランチャイザー=ミニFC本部という位置づけですね。
※北海道うまいもの館がエリアフランチャイザー制を導入しているかは不明です。
あくまで個人的な推測ですので御注意ください

以上が新時代のフランチャイズである5つの要素です。
ちなみにロイヤリティは月売上の3%のようです。
北海道うまいもの館の売上どのくらいだろう?とフェルミ推定
まずは以下アンテナショップに関する以下データを参照。
https://www.jcrd.jp/pressrelease/548e2e5c789c6ec340e53f1e102d1eb18f0c23a7.pdf

P7の年間売上を見ると3千万未満が23%となっています。
アンテナショップは前述のように都内の一等地に構えてのこの数字なので、
北海道うまいもの館は暫定で500万~1000万くらいと一旦設定。

次に単価を推定。
【楽天市場】北海道 うまいもの 館の通販
楽天を見ると、4,800円あたりがボリュームゾーン
ただリアル店舗ではちょっとした調味料とかも選択肢になると思うので、
単価はだいぶ下がるのでは?と想定し、2,400円と想定。

単価2,400円で売上をあてはめて単日来店数を探ると、以下のとおり。
月間売上500万→単日来店約70名
月間売上750万→単日来店約105名
月間売上1,000万→単日来店約140名

ん~1日100名も来るのかな?と、個人的な感覚的で想像ができないので、
ここは控えめに単日来店70名で月間売上500万で捉えましょう。
500万だとロイヤリティは15万なのでまあ割合は妥当でしょう。
そしておそらく売上高営業利益率は5%くらいだと思うので、売上500万だと営利25万。現実ラインはこのくらいかなと。
※あくまでこれは個人的な推定ですので、参考程度に捉えてください

仮に上記推定どおりの営利水準だとすると、
法人視点ではファーストから複数展開マストで考えた方がよいですね。
4店舗くらい展開すれば1店舗くらい1,000万超えの店舗に巡り合うと思いますし、メリットは大きいです。

さてさて、気付けばかなり長文になってしまいましたが、
結論、ここまでのリサーチ時点で、
新時代のフランチャイズとして「北海道うまいもの館」は面白いと思ってます。
あとはFC本部の皆様のお考えが、
フランチャイズ操縦士として「真っ当」であれば魅力的なFCだと言えるでしょう!
陰ながら応援してます!
ではまた。
※「北海道うまいもの館」関係者の皆様。
今回の紹介内容において、解釈の違いや補足が必要だという御意見がございましたら、
遠慮なく以下お問い合わせフォームやGmailより、
直接メッセージをいただけますと幸甚です。勉強させてください

北海道うまいもの館・FC化・FC展開・フランチャイズ

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株式会社フリグマ(Flegma,Inc.)代表取締役社長
佐々木翔(sho sasaki)
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