フランチャイズオーガナイザーのブログ

フランチャイズをオーガナイズする仕事をしております。立ち上げたフランチャイズは加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗を実現。前々職のフランチャイザー時代には、オーナーコンサルタントチーム責任者としてFC店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経た現役のフランチャイズオーガナイザーとして「フランチャイズ業界健全化→地方創生→日本経済活性化に貢献」このためにブログを綴っております。

新時代のフランチャイズvol.4「KAMPO煎専堂(かんぽうせんじどう)」

さあ久々の新時代のフランチャイズシリーズです。
このシリーズのバックナンバーは以下の通りです。

新時代のフランチャイズ「フトン巻きのジロー」
新時代のフランチャイズ「フトン巻きのジロー」 - フランチャイズオーガナイザーのブログ

新時代のフランチャイズvol.2「まがりDEバナナ」
新時代のフランチャイズvol.2「まがりDEバナナ」 - フランチャイズオーガナイザーのブログ

新時代のフランチャイズvol.3「北海道うまいもの館」
新時代のフランチャイズvol.3「北海道うまいもの館」 - フランチャイズオーガナイザーのブログ

さてさて、今回紹介する新時代のフランチャイズは「KAMPO煎専堂(かんぽうせんじどう)」です。

www.kampo-bar.com

漢方せんじどうフランチャイズ

漢方せんじどうフランチャイズ

自分がこの「KAMPO煎専堂(かんぽうせんじどう)」を認識したキッカケは、
今やフランチャイズ雑誌と表現しても差し支えのない「ビジネスチャンス」2021年10月号にて、
フランチャイズ加盟店舗数ランキングという企画があり、
そこで42位495店舗/KAMPO煎専堂この表記を見たことがキッカケでした。
約500店舗も存在するのに正直勉強不足だったため、
どんなフランチャイズなんだろう?と調べてみました。
調べた結果、かなり面白く、新時代要素が多いと感じたため、今回御紹介差し上げます。

「KAMPO煎専堂」が新時代のフランチャイズと感じる要素は下記5点です。

1, そもそもまず漢方のフランチャイズという新しさ
2, 街の薬局薬店の活性化のためのフランチャイズ展開/全国の漢方薬局・薬店加盟店内でセルフカフェスタイル運営
3, 漢方スペシャリスト「漢ムリエ(カムリエ)」制度
4, ハローキティを活用したキャラクターマーケティング
5, 経済産業省厚生労働省の“お墨付き”を獲得


1, そもそもまず漢方のフランチャイズという新しさ
「KAMPO煎専堂」を運営するFC本部は、
元々漢方の製造販売事業を展開していた株式会社タキザワ漢方廠という企業です。
タキザワ漢方廠|【全国加盟店】漢方薬局|万寿霊茸、若蘇源、循環元、漢方、桔梗湯、芍薬甘草湯、辛夷清肺湯症状にあった漢方をアドバイスいたします

漢方が身近でない方にとっては一見怪しいと感じるかもしれませんが、笑
漢方が身近な方にとってはスムーズに受け入れられるのかな?と感じます。
自分は非常に喉を痛めやすいのですが、
桔梗湯(キキョウトウ)という漢方に出会い、
少しでも喉に違和感があったら桔梗湯(キキョウトウ)を飲むような対策をして以降、
劇的に喉が潰れる回数が減りました。
また、春の花粉症の時期は小青竜湯(ショウセイリュウトウ)も愛用していますので、
個人的に漢方が身近であった背景もあり「KAMPO煎専堂」もスムーズに受け入れることが出来ましたね。
とはいえ、自分は少数派のほうで一般的にはまだまだ漢方が浸透していないと思うので、
そんな漢方を軸にフランチャイズ展開という時点で、フランチャイズ業界視点では斬新に感じます。


2, 街の薬局薬店の活性化のためのフランチャイズ展開/全国の漢方薬局・薬店加盟店内でセルフカフェスタイル運営
最近はFC業界のファンタジスタ・前田社長発案による「まがりDEバナナ」を筆頭とする間借りビジネスがFC業界にも波及していますし、
先月のがっちりマンデーで「あやしいフランチャイズ」という特集の中で紹介されていたボロネーゼの専門店ビゴリのように、
メニューライセンス – BIGOLI
メニューライセンス的なフランチャイズが増えてきてますね。
そしてこの系譜として既に数年前から展開していたのが、この「KAMPO煎専堂」でした。
https://www.takizawa.asia/img/index/kampo-info2.pdf

タキザワ漢方廠社は、2015年5月に全体的に衰退傾向であった(取引先)街の薬局支援事業として「KAMPO煎専堂」をスタートしたとのこと。
何がどう支援事業なのかと簡潔に纏めると、
街の薬局・薬店が加盟できるフランチャイズとして、
漢方煎薬が1杯350円(税別)で体験できる「漢方セルフ煎じコーナー=KAMPO煎専堂」を設置できる制度です。
街の薬局・薬店がKAMPO煎専堂に加盟することで、集客ツールを増やすことになるということですね。
KAMPO煎専堂コーナー設置のために必要となる費用は「スターターセット」の購入代金 68,040 円(税別)のみで、
漢方煎薬・電子レンジ・耐熱ポットなどコーナー導入用品一式がセットなっているようです。
なお、このスターターセット以外、加盟金・契約金・保証金・ロイヤリティなどを一切必要としないようで、
加盟資格は、既存顧客だけではなく新規契約を含む「タキザワ漢方廠の取引先」であることのみ・・・
このあたりもあくまで純粋に取引先である街の薬局支援することが目的のフランチャイズだと汲み取れますね。
素晴らしいです。


3, 漢方スペシャリスト「漢ムリエ(カムリエ)」制度
KAMPO煎専堂では、株式会社タキザワ漢方廠の「漢ムリエ認定試験」に合格することで得られる称号があり、
それが漢方スペシャリスト「漢ムリエ(カムリエ)」です。
漢方煎薬のKAMPO煎専堂(SENJIDO)の漢ムリエ(カムリエ)とは?
漢ムリエ(カムリエ)=漢方のソムリエという由来でしょうか。
漢ムリエ(カムリエ)になるには、
株式会社タキザワ漢方廠が製造販売する漢方煎薬(第2類医薬品)24種類についての特性・効能・取扱方法などを正確に把握し、
お客様が訴える症状やご要望、味・香りの好みなども取り入れたうえで、
適正な「漢方煎薬」を選ぶ能力が必要とのこと。
テイスティングによる味・香りで判断でき、生薬成分などの特性を熟知した漢方煎薬のプロフェッショナル・・・
凄い!漢方支持派としてはなかなか興味深いです。
実際1つの加盟店に1人以上の漢ムリエ(カムリエ)が常駐必須なのか否か、
そこまでは追えなかったですが、
エンドユーザー視点では、漢方という謎が多い領域ですから、確かな知識を持った方がいてくれるのは安心ですよね。
何よりこの漢ムリエ(カムリエ)というネーミングが斬新です。


4, ハローキティを活用したキャラクターマーケティング
KAMPO煎専堂では、なぜかハローキティが広告塔です。
いつだか不二家考察の際に少しキャラクターマーケティングについて触れましたが、
考察シリーズvol.2「不二家」① - フランチャイズオーガナイザーのブログ
メリットは大きいと思います。
広告塔をタレントにするか、キャラクターにするか、で考えたときには、
タレントは不祥事があり得ますが、キャラクターはその心配が不要ですしね。笑
ちなみに下記内容でなぜハローキティを活用しているか?を把握できました。
https://www.takizawa.asia/img/index/kampo-info6.pdf
漢方煎薬は敷居が高い、飲みにくい、毎日煮だすのは面倒だというイメージから、
60代以上の年配の方に馴染みはあるものの、20代~50代の働く世代の服用率が低い傾向にあったとのこと。
消費の起爆剤とされる20代~50代女性への漢方煎薬普及を目指すKAMPO煎専堂では、
女性なら誰しもが知っている国民的キャラクターのハローキティとコラボすることで、
漢方の気軽さ、安心・安全さをアピールし、ターゲット層へのアプローチを強化しようとする狙いのようです。

ふむふむ。たしかにこれはハローキティの抜擢も頷ける。
しかしハローキティを使うには、FC本部視点で年間いくら必要なんだろう?・・・
絶対可愛くない金額だろうなと想像します。笑


5, 経済産業省厚生労働省の“お墨付き”を獲得
KAMPO煎専堂を調べていく中でこの内容に一番インパクトを感じました。
以下、該当記事を要約しました。

セルフカフェスタイルで簡単に本格漢方煎薬を薬局・薬店内のスペースで提供できる「KAMPO煎専堂」の構想をスタートするにあたり、
株式会社タキザワ漢方廠では、気軽に漢方煎薬を試せるような商品を開発することから着手。
それまでの漢方煎薬はお鍋で20~40分ほど煮詰めることが当然でしたが、それではカフェスタイルでの提供ができないという問題発生。
そこで2年にわたる独自の研究と試行錯誤を重ね、
電子レンジで5分加熱するだけで、煮詰めるのと同様の効果を得られる「ティーバッグ式漢方煎薬」を開発。
しかし前述の商品を開発し、当時取引先である地元の薬局・薬店に声掛けをするも、
「儲からない」「実施することにリスクはないのか」となかなか了承を得られない状態が約1年近く続いた。
協力店が見つからない中、2014年に自社で「KAMPO煎専堂 セルフBar」をJR大宮駅(埼玉県)近くにオープン。
2階で商品を購入し、1階にセルフBarとして1包(1杯分)350円+税で気軽に漢方煎薬を飲むことができるスペースを設け、
薬局・薬店に導入するためのモデル店として運営を開始。
だが「カフェスタイルで漢方煎薬を提供する」という試みは前例がなく、
「利用者に手軽に利用できる漢方のBAR」という趣旨で広めようとしたものの、
自治体からは「“BAR=お酒”のイメージが強いためそのような表記をしないように」と指摘を受けることも。
また「薬局等構造設備規則」の取り扱いが各自治体によって異なったため、
「こういうことをやるなら天井まで壁をつけなさい」といった要件が設けられることがあり、
薬局・薬店への導入には障害ばかりであった。
こうした状況を改善するべく、2016年6月に経済産業省厚生労働省に「薬局等構造設備規則」と当社の取り組みに関する見解を求め、
「漢方セルフ煎じコーナーの設置は同規則に抵触しない」とする“国のお墨付き”を得ることができた。
これを機にコーナー設置への障壁が取り除かれ、加盟店の申込み件数も右肩上がりに急増。
2016年9月30日には、加盟店100店舗を達成。

・・・凄い。薬局等構造設備規則などにより、そもそも薬局・薬店への導入に障害があった中で、
経済産業省厚生労働省にKAMPO煎専堂の取り組みに関する見解を求め、
「漢方セルフ煎じコーナーの設置は同規則に抵触しない」とする“国のお墨付き”を得たって凄い行動力ですね。
大概諦めて別のビジネスモデルを発案しそうなものですが、
KAMPO煎専堂は国に見解を求めたという斬新で大胆な行動を取った。
そこから瞬く間に加盟店舗数が拡大し、今では500店舗規模になったわけですから、
完全なる分岐点だったわけですね。
行動で国のお墨付きをもらう、まさに新時代のフランチャイズカルチャーですね。


以上です。
ちなみに調べていく中で「漢方SENJI堂」と「KAMPO煎専堂」の表記があることに気付き、
調べると「漢方SENJI堂」はおそらく株式会社タキザワ漢方廠が運営する直営で、
それ以降のFC加盟店では「KAMPO煎専堂」こっちにしているようです。(おそらく)
漢方SENJI堂(さいたま市大宮区)|アンテナショップ|漢方煎薬

また、街の薬局内にKAMPO煎専堂コーナーを設けて運営するのがベーシックですが、
オーナー支援型加盟店制度として、商業施設内での出店を支援するプランもあるようです。
漢方煎薬のKAMPO煎専堂(SENJIDO)のオーナー支援型加盟店制度
・・・というように深堀すればするほど、まだまだ魅力ありそうで、とんでもなく長文になってしまうので(おそらく当記事が当ブログ1記事最多文字数です。笑)
このあたりで締めに入ります。

KAMPO煎専堂が新時代のフランチャイズ要素を御理解いただけたでしょうか。
総じて感じたことは、おそらく瀧沢社長はマーケットを読む力に長けているのと、
目の前の人を大事になさる方なのだろうなと想像に容易いです。
こういう方でなければ、タキザワ漢方廠社として大手ドラッグストアと手を組んだでしょうし、
いくら取引先とはいえ、全体的に衰退傾向であった街の薬局支援するための事業を開始しようという発想にならないと思うのです。
おそらく自分達の会社の利益だけではなく、
KAMPO煎専堂には昔ながらの街の薬局の未来が懸かっているという責任感が、
国に見解を求めるまでの行動の原動力であったのかなと推察します。
なかなか既存のFC媒体では見かけないですし、
リソースが少なかったので、推察要素が多く恐縮ですが、
KAMPO煎専堂が新時代のフランチャイズであることは間違いないです。
応援してます!
ではまた。
※「KAMPO煎専堂」関係者の皆様。
今回の紹介内容において、解釈の違いや補足が必要だという御意見がございましたら、
遠慮なく以下お問い合わせフォームやGmailより、
直接メッセージをいただけますと幸甚です。勉強させてください

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