昨日の記事の続きです。
現在率いるフランチャイズでは、自分が加盟オーナーのマネジメント相談を承っています。
FC加盟オーナー専用「マネジメント相談所」開設 - フランチャイズオーガナイザーのブログ
その相談内容の中で、複数展開している某オーナーからの相談として、
店長候補として採用した1人の従業員の方が、モチベ―ションが低く、主体的な取り組みなどが無く、
仕事の適性、会社のカルチャーとの適正的にミスマッチな印象が否めないとのことでした。
他の従業員さんとの関係性もあまり芳しくない現状とのことで、どうしたらいいかと迷っておられ、昨日の記事でした。
www.shosasakifranchisor.comそしてやり取りの中で、
(複数展開していることもあり)事業責任者の方にほぼマネジメントは任せているとのことだったので、
その事業責任者の方のマネジメントスキルやマインドがキーだと感じ、
翌週にその事業責任者の方からの相談を承りました。
自分自身、現在のフランチャイズでは立場的なこともあり、
オーナーのみの接点で、従業員の方とはほぼ接点がありません。
こちらの店舗も例外ではなく、その事業責任者の方とも、オンラインとはいえ初めて会話をする関係性でしたので、
序盤はマネジメントに関する悩みや愚痴を思う存分話していただき、全てをじっくり聞いていました。
一通り伺い、これまで一度もマネジメントを体系的に学んだことがないのかな?
マネジメントの心構えの部分もお持ちでないのかな?と感じました。
また、そもそも(マネジメントの側である)自身の落ち度はないと感じているのかな?とも思いました。
そう感じた理由は、吐露いただいた全ての内容が、
前述の店長候補の従業員の方に対するネガティブな感情ばかりで、
マネジメント層として自責の念が一切無かったことです。
そのため、会話の流れやその事業責任者の方のモチベーションを上げる配慮をしながら、
以下のマネジメントの基礎や考えを共有差し上げました。
・部下の問題、ミス、変化が起きない、成長しない・・・これらは全てマネジメント側の問題ということを完全に理解すること
・病気&独立以外の理由の退職はマネジメント側の力不足であるという事実に向き合う
・人の短所を見つけるのは誰にとっても容易いこと。優秀なマネージャーというのは人の長所を見つけることに長けている
・マネジメント層としての優秀の尺度は、抱えることが出来る部下の数。つまり相性の合わない部下を抱えることができない・・というマネージャーは優秀ではない
・「何回言っても改善されない、同じミスをする」これは一見、部下の問題に見えるが、実はマネジメント側の伝え方の引き出しの少なさの問題でもある
・1つミスを指摘する際には2つのモチベーションアップとセットで伝えること
・部下の現状とタイプを捉え、行動/結果/環境どの領域をコントロールするかを見極め、コントロールする領域にミスマッチがないように注意
・少なくとも半年に1回は評価と共にフィードバックを実施すること
などなど。会話の流れの中で思い出した順で都度語っているので、
もっと他にも伝えた内容があった気がしますが、おおよそこのあたりでしょうか。
ちなみにこの事業責任者の方、プレイヤーとしては優秀だがマネジメント層としては・・・
というタイプで、自己成長意欲は高そうに感じたため、その性質を活かす形で、
「マネジメントを学ぼうとビジネススクールに通ったら、平気で50万とか100万とか必要ですよね。
それを●●さんは今、マネジメント難易度の高い部下がいて、そこの突破口を模索して実践できるって、
ある意味でラッキーだと思いませんか?
無料でビジネススクールに通っていることに等しいですよ?」
と伝えました。
すると案の定しっかり響いたようで、ここから前のめりになっていただきました。
マネジメントのテクニカル的な話で言えば、
・部下の現状とタイプを捉え、行動/結果/環境どの領域をコントロールするかを見極め、コントロールする領域にミスマッチがないように注意
本件に関しては、ここのミスマッチが大きな原因でしたね。
要は行動をコントロールしなければならない部下に対して、結果だけを求めていた・・・というわけです。
この事業責任者の方も「なるほど!そういうことでしたか!」と仰っていて、気付きになったようです。
また、・1つミスを指摘する際には2つのモチベーションアップとセットで伝えること
この話題になった際、
「ん~・・・褒めたくても本当に(その部下が)良いところが無いんです・・」と仰っていたので、
「モチベーションアップというのは、
褒めなければいけないということではないんです。
いつも一緒に仕事をしてくれてありがとう!
たったこれだけでモチベーションアップとして機能しますよ」と伝えました。
なぜ機能するかというと、大多数のマネジメント層が、週に1回も部下にそういう類いの声を掛けていないし、
そもそも大人になると、あまり面と向かって「ありがとう!」と言われる機会が少ないから。
その事業責任者の方も当然ズバリ、
「ありがとうなんて・・・思い返すと部下に一度も伝えたことは無かったかもしれないです。反省ですね。」
と仰ってました。
不思議なものですね、子供のころ当たり前に出来たことが大人になると当たり前に出来なくなる・・・
人間はどこかを進化させると、どこかが退化する生き物なのでしょうか・・・
なんて哲学的な話はさておき、
上記のように、懇々とマネジメントの基礎や考えを説いていった結果、
終盤には自責100%のマインドに変化をしてくれたように見えました。
「これを機に該当社員へのマネジメントにチャレンジしてみますので、
また結果報告でマネジメント相談所の予約をしてもよろしいですか?」
と仰っていただきました。
1ヶ月後~2ヶ月後、この事業責任者の方のマネジメントスキルの進化が楽しみです。
事業責任者の方のマネジメントスキルの進化、
それが組織に紐づく従業員の皆さんの活気やパフォーマンス向上に繋がり、
それが該当オーナーの事業拡大にも繋がり、
「このフランチャイズに加盟して良かった」と心底思っていただくことが本望です。
標題の内容から纏めますと、
採用ミスマッチが起きた際、その従業員に卒業してもらうというのは、思考を巡らせる必要が無くイージーな選択なので、
マネジメントスキルアップのチャンスと捉え、真摯に向き合うというのもメリットが大きいですよという話です。
人手不足が加速する昨今で、ましてやただでさえ人材確保が難しいFC加盟店の運営において、
やはり今後加盟オーナーや事業責任者の方の「マネジメント」の重要性が増すばかりだと感じます。
ではまた。
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