フランチャイズオーガナイザーのブログ

フランチャイズをオーガナイズする仕事をしております。立ち上げたフランチャイズは加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗を実現。前々職のフランチャイザー時代には、オーナーコンサルタントチーム責任者としてFC店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経た現役のフランチャイズオーガナイザーとして「フランチャイズ業界健全化→地方創生→日本経済活性化に貢献」このためにブログを綴っております。

フランチャイズ本部の皆様必見「中小小売商業振興法改正について」

日本のフランチャイズビジネスにはフランチャイズ法がありません。
ちょうど数日前に下記のような内容のニュースがありましたが、
「フランチャイズ規制法が必要だ」 コンビニ問題などを受け、日弁連が意見書(弁護士ドットコムニュース) - Yahoo!ニュース
日弁連が意見書を提出したという進捗で、現時点で我が国にフランチャイズ法というのは存在しません。

以前にも少し触れましたが、マレーシア含め、フランチャイズ法が存在する国は幾つかあります。
中小企業の生産性を上げるためにフランチャイズに加盟しないといけない?! - フランチャイズオーガナイザーのブログ

ではこれだけのフランチャイズ大国・日本において、
何がフランチャイズ法に近しい機能を果たしているのか?
それは経済産業省が出している「中小小売商業振興法」と、
公正取引委員会が出している「フランチャイズに関するガイドライン
この2つでフランチャイズビジネスにおいて、様々な規制がなされています。

詳細は以下をどうぞ。

中小小売商業振興法
中小小売商業振興法 | e-Gov法令検索

フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方
フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方:公正取引委員会

そしてこの中小小売商業振興法ですが、
2021年4月に一部改正され、2022年4月より施行となります。
藤原先生のブログ、フランチャイズ研究会会長・山岡先生のyoutubeでも取り上げられています。
フランチャイズ地獄からの脱出 藤原義塾からの報告書 : フランチャイズにおいて極めて重要な法律「中小小売商業振興法」施行規則の一部を改正する省令を公布(経済産業省のホームページから転載)

www.youtube.com

この改正ですが、該当FC本部視点で捉えると、率直に「重い」と思います。笑
何が重いかというと、基準が曖昧でイマイチ正解が分からないので、
「?」を抱きながらオペレーションを構築する必要がある点です。
まず何が改正されたのか解説していきます。

特定連鎖化事業(コンビニエンス・ストア等の小売商業に関するフランチャイズ・ビジネス)を行う方が、
加盟希望者との契約前に書面で説明すべき事項として、
「加盟者の店舗のうち、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項」を追加する等の改正

原文そのままだとこのようになります。
咀嚼すると「該当FC本部は加盟検討者の出店場所に対してのデータを出しなさい」というものになります。
そしてその出すべきデータというのが、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項となります。
上記動画内で山岡先生も語っておられますが、
「類似するもの」この定義がしっかりなされていないようです。

この類似するものの定義をFC本部ごとの理解に依存してしまうと、あまりこの改正の意味があまりない・・なんてこともあるかなと感じます。
現役のフランチャイズオーガナイザー視点で、
もし自分のFC本部でこの改正に伴い、類似データを開示する必要があるとしたら・・・

【出店候補地】
立地特性/ロードサイド
商圏半径/1km
商圏内人口/20,000人

この出店候補地の類似データを出す場合、
ロードサイドで商圏半径1km、ここまでの条件合致は努力しますが、
商圏内人口は約20,000人と捉え、
15,000人~25,000人くらいの既存店データを抽出するかなと思います。
あるいは地域が同都道府県内であれば類似とみなす、すなわち近隣店舗のデータを抽出するか、この2択かなと思います。
このようにおそらく「類似」の定義や理解がFC本部ごとによってバラバラになります。
まずはそれでも実行したほうが欺瞞的(ぎまんてき)勧誘の減少に繋がるという狙いでしょうかね・・・

ちなみにこの改正は基本的にコンビニFCが対象ですが、
特定連鎖化事業(コンビニエンス・ストア等の小売商業に関するフランチャイズ・ビジネス)という表現になっており、
コンビニエンス・ストア以外の小売業も、特定連鎖化事業の範疇なら該当しますよ~と捉えることが出来ます。
そのため、小売業のFC本部の関係者の皆様は、自身が展開されているFC事業が特定連鎖化事業に該当するか否か、
顧問弁護士先生に一度確認なさることを推奨します。
「ウチは該当じゃないから大丈夫でしょう」なんて他人事でいて、
2022年4月以降、加盟検討者の方から出店場所のデータを求められ、
「今までそういう開示したことがないので」と拒否したら、
実は中小小売商業振興法の対象業種で、
この中小小売商業振興法に抵触・・・なんて想像が容易にできます。

また、もし該当だという判断であった場合には、
出店場所候補地が存在しない限り、加盟契約は締結できないため、
FC本部によってはオペレーションを大きく変更する必要性が出てきますね。
いずれにせよ、上記該当のFC本部社長や経営陣の皆様はしっかり顧問弁護士先生との擦り合わせを推奨します。

自分が目指すフランチャイズ業界健全化に向けては、
真っ当なFC本部たるもの正しいリーガル対応はマストだと考えてます。
こんなのは当たり前のことですが、その当たり前のことが出来ていないFC本部が多すぎるのも現実。
いずれはFC本部設立を許認可制にしたいくらいですね。

ちなみにもし信頼できる顧問弁護士が不在というFC本部の皆様はぜひ私まで御相談くださいませ。
けして著名でなくとも、フランチャイズの知見が深く、優秀で骨太な弁護士と繋がっておりますので。
ではまた。

※この中小小売商業振興法の法改正をより詳しく御理解いただくために、明日の記事で特定連鎖化事業について深堀します。FC本部の皆様は、本日の記事と明日の記事を何度もお読みいただき、しっかり理解しましょう
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