フランチャイズオーガナイザーのブログ

フリグマ代表取締役/FCオーガナイザー&コアフランチャイジーの養成講習主宰/FC本部中枢歴10年/自ら立ち上げたFC→加盟募集開始→健全に3年100店舗実現/ビジネスチャンス連載/日経FCショー・FRAX TOKYOなどFC主要イベント登壇/2024年APAC・FCコンサルTOP10選出

推奨書籍「なぜ倒産~こうするよりほかなかったのか~」FC本部がFCの操縦を誤るとこうなる!

2018年7月に発売された書籍なので、
読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
今回推奨するのは「なぜ倒産~こうするよりほかなかったのか~」です。

タイトルからおおよその内容は察しが付くと思います。
要は企業の倒産事例が幾つも掲載されています。
以下が紹介文です。

苦渋の証言から読み解く破綻企業の敗因。
大ベストセラー誕生から始まった経営者の迷走。
大手に真っ向勝負を挑んだ新工場、過剰投資に終わる。
取材殺到するも内実は…。資金ショートに沈んだベンチャー
人を育てずFC展開、爆走の末に散った人気チェーン。
ビジネスモデルも社員も刻々と老化、力尽きた老舗宝飾店。―こうするよりほかなかったのか?・・・

自分も当時タイムリーに購入して読みました。
で、数年経った最近、何気なく自宅の本棚の前でぼーっとしていたら、
急にこの本を再度読み返してみたくなりました。
すると、ほぼ内容を覚えてなくて驚きました。笑

というのも、この書籍の一番最初に取り上げられているケース1が、
なんとFC本部企業の話だったのです。
初見時の自分には響かなかったのでしょうか。
FC本部の倒産エピソードが書かれていることすら記憶から消えてました。
そのため、戒めを込めて備忘録として、
今回ブログで執筆しておきます。

前述のとおり、この書籍のケース1がFC本部企業の話です。
遠藤商事ホールディングス(以下、遠藤商事HD)という会社の倒産事例です。
遠藤商事・Holdings. - Wikipedia

あのテレ東の「ガイアの夜明け」にも出演実績があるなど、
一時期は企業自体が順風満帆・・・と見られていたようですが、結果として倒産。

遠藤商事HDは、90秒で調理できる仕組みを考案し、
ナポリ風本格ピザのチェーン店をピーク時は80店舗まで拡大した。
しかし急成長に人材育成が追いつかず、収益力は伸び悩んだ。
出店のための借り入れが膨らんだ結果、
追加融資が難しくなり、資金繰りが滞った。

書籍内の冒頭にはこのような文面で紹介されてました。
そこから読み進めると、
FC展開もしていたという事実が書かれています。
前述に「出店のための借り入れが膨らんだ結果」と書かれていて、
違和感を感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

というのもFC展開をメインで進めていけば、
基本的には本部のキャッシュアウトは無いわけですからね。
これを見て、最初自分はFCよりも直営の比率が高かったのかな?と想像したのですが、
読み進めると、概要が見えてきました。

積極出店の武器となったのが、
誰でもピザが焼けるという窯や生地伸ばし機のセット。
アルバイトでも1枚90秒で本格ピザが提供できるコック不要の店を訴求した。
(実際、この仕組みは飲食業界で表彰もされたとのこと)
~中略~
遠藤商事HDは店舗拡大を急ぐあまり、
FC店をフォローする仕組みがなく、支援がおろそかになった。
普通なら営業前の何日かは研修があるものだが、
遠藤商事ホールディングスから、
「ウチでしばらく人を出しますからすぐに店をオープンしましょうと、出店を進めることが多かった」
と、FCオーナーは振り返る。
ところが2~3ヶ月すると、手伝いに来ていた遠藤商事HDの社員は次の新規出店をするためにいなくなってしまう。
遠藤商事HDの社員がいなくなると、
店の人手が不足し、売上が低迷するFC店もあったようだ。


つまりまず「アルバイトでも1枚90秒で本格ピザが提供できるコック不要の店」では無かったのでしょう。
もし本当に簡易オペレーションであったのであれば、
2~3ヶ月本部の社員がいたら、普通にオペレーションを構築できるはずだからです。
また、文面から察するに、
その派遣された社員達がSVではなく実際は派遣店員でしかなった点も問題ですね。
プロのSVであれば2~3ヶ月も常駐していたら、
研修を繰り返し、採用を支援あるいは促進して、
自分達が抜けてもFC店が運営できるように尽力するわけで、
店を離れた途端、FC店の運営が回らなくなったり、
業績がすぐに落ち込むなんて考えにくいです。
そのため、遠藤商事HDにおけるSVというのは本当に名ばかりで、
ちゃんとしたSVとしての研修を受けてこなかった人達だったのだろうと想像に容易いです。

そしてここからが重要で、こんな状況下にも関わらず、
社長は100店舗達成への夢を追うため、
一旦出店した店舗の撤退をとにかく嫌ったそうです。
仮にFC店が閉店したいと言い出してきたら、
すぐにまた社員(おそらく前述の名ばかりSV)を送り、
それでも不振が続く場合は直営運営に切り替えたそうです。

さらに新規出店のアクセルも踏み続けたようで、
信用が乏しいオーナーが物件契約の審査で難航しそうという場合には、
遠藤商事が代わりに物件契約を締結するケースもあったとのこと。
ただどれだけ新規出店を積み重ねても、
前述のようにFC店へのサポート体制の構築には視点がいかず、
徐々に自転車操業状態になっていったとのこと。

遠藤商事HDは、2017年4月に倒産してしまったようですが、
2016年9月度の売上高が25億あったとのことなので、
やはり最終的には(FC店撤退店の譲渡を含め)直営店の比率が大きく、
売上はインパクトがあっても営利が赤字の積み重ねだったのではないのかなと推測します。
※正確なことは不明です。推測で書いてます

本書では以下のように纏められています。
「飲食ビジネスは食材や酒を仕入れる必要があり、
店舗拡大には家賃や保証金などの費用もかかる。
社長はその点を甘く見ていたのかもしれない。
社内にも、社長に手元資金の重要性を教え、出店に歯止めをかける財務に明るい人間は最後まで育たなかった。」

・・・これは自分の視点では違和感があります。
「飲食ビジネスは食材や酒を仕入れる必要があり、
店舗拡大には家賃や保証金などの費用もかかる。」
↑この部分はFC展開が軸であれば、
基本的に本部が負担するものではないため、違和感があるのです。
直営であれば、上記指摘は的を得ているでしょうが、
FC展開ではこれが原因で本部の倒産は考えにくいです。

では遠藤商事HDの何が問題であったか?
これは当ブログのコアな読者の方であれば御理解いただいているように、
FC展開の基本要件である「収益性・再現性・理念」
おそらくですが、FC展開開始時に3つとも存在しなかったのではないでしょうか?

収益性については、
もはや判断材料が無さ過ぎて考察が難しいですが、
Wikipediaに、看板商品が「500円ピザ」だったと書かれていたので、これをもとに考えましょうかね。
大枠コストを人件費100万、家賃30万と仮定して130万。雑費入れて150万が損益分岐だと仮定。
原価3割で考えると1枚あたり売価500円、原価150円。
つまり、150万の損益分岐を超えようと思ったら、
月に4,286枚(1ヶ月休み無で)1日143枚の500円ピザを売らなければなりません。
FC加盟オーナーさんはここからロイヤリティを支払うわけですから、
「FC展開開始時点で然るべき収益性が存在しなかった」と捉えるのが自然でしょう。

再現性については、
ここが本件の一番の問題点だったのでしょう。
アルバイトでも1枚90秒で本格ピザが焼けるという窯や生地伸ばし機セットだけでは、
FC店の売上が立たないことへの本部の認識不足。
そしてそれがゆえにFC店への研修やサポート体制構築を軽視したこと、
これにより再現性が存在しなかったわけです。

理念については、
本書の中で社長がいつだかのメディアインタビューで、
「ビザを日本の主食にしたい」と語っていたという描写がありました。
一見、理念っぽく見えますが、
「なぜビザを日本の主食にしたいのか?」
「ピザを日本の主食に昇華できた暁には何が起こる?あるいは何を起こしたいのか?」
ここまでセットでないと理念とは言えません。
自社の商品を普及させたい=理念、ではないのです。
その先に起こること、起こしたいこと、それが理念です。

結果論と言われてしまえばそれまでですが、
もしこの遠藤商事HDのような状態の社長から弊社フリグマにFC展開の相談を受けたら、
「上記の3軸全て揃っていないので、今はFC展開をするべきではないですね」と断言します。
それでもどうしてもFC展開をしたいというのであれば、
フランチャイズオーガナイズAプラン契約ではなく、
Bプラン契約にして3年100店舗を目指さず、
じっくり1店舗1店舗のFCを支援してじっくり拡大していくように諭します。
同時にSV研修サービスも受注し、
横Tさんからのゴリゴリ研修でSVを育成してもらうと思いますね。笑

閑話休題
上記ピザのフランチャイズ事例は、
フランチャイズを正しく操縦しなければ、FC本部の倒産もあり得るという良い教材ですね。
こういう背景からも、
今後FC展開を開始される企業様、個人の皆様にはぜひ弊社フリグマを頼っていただきたいです。
お問い合わせ | flegma(フリグマ)
お気軽に御相談ください。

これは弊社の営業というよりは、
フランチャイズ業界健全化のために、
歪なFC本部を増やしたくない&そこに加盟して被害を被るオーナーを1人でも減らしたいという、ピュアな想いです。
収益性・再現性・理念が伴っていないのに、
無理に100店舗を目指したら本部倒産の末路も有り得ますからね。銘肝しましょう。
ではまた。
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株式会社フリグマ(Flegma,Inc.)代表取締役社長
佐々木翔(sho sasaki)
フランチャイズ関連の御相談や各種お問い合わせ、
あるいはFC本部立ち上げ/FC本部構築/フランチャイズ化など、
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なぜ倒産FC本部



やきとり大吉を改めてお勉強の巻

「やきとり大吉」
フランチャイズ業界人の方は殆どの方が御存知でしょう。
自分も勿論認識していましたが、
ちょっとした事情により、個人的に「やきとり大吉」のフランチャイズを改めて勉強する必要があり、年末に深堀してました。

念のため、やきとり大吉を御存知ない方に向けに軽く御紹介しますと、
外観は下画像のようなお店です。

やきとり大吉

こちらがtoC向けのwebサイトです。

www.daikichi.co.jp

やきとり大吉については、
FCプロデューサーの竹村先生が強い支持をなさっており、
フランチャイズチャンネルでも何度か取り上げられていますね。

やきとり大吉のフランチャイズ!!|フランチャイズ相談所 vol.881

www.youtube.com

やきとり大吉!ガイアの夜明けに登場!!|フランチャイズ相談所 vol.1258

www.youtube.com

他、今回やきとり大吉に関する情報アップデートにあたり、
参考にさせていただいたのは以下4つの動画やサイトや書籍。

ガイアの夜明け2分ダイジェスト版

www.youtube.com

やきとり大吉加盟募集webサイト

dokuritsu.daikichi.co.jp

YouTubeチャンネル「やきとり大吉」

www.youtube.com

書籍「"不滅"の小さなやきとり屋 開業・成功の極意」

一通りポイントは5つです。
1, 生業のフランチャイズである
2, 3ヶ月のOJT研修で未経験でも開業可能
3, セントラルキッチンではなく仕込みは各店
4, 住宅街出店の店舗開発
5, 10年以上継続率は80%超え

要素としてタイトルそのままなので、1~5の解説は割愛します。

次にコスト面を見ていきましょう。
ユーザー方式とグループ方式という2種類があり、
ユーザー方式は本部が所有の店舗を借り受けて開業する形です。
店舗は本部指定になるため、
オーナーが望んだ地域や店舗で開業できません。
その分、低資金(加盟金157万円+開業時の実費約100万円)で開業できるメリットがあります。
グループ方式は、
自身が望んだ地域や場所で物件を選定し、
自身が物件を契約して開業する形です。

ここではグループ方式を想定したシミュレーションをしていきます。

【イニシャル】
加盟金157万円(入会金・保証金・研修費等)
内外装工事費 約1,200万円(指定厨房機器含む)
物件取得費 約150万円(店舗賃貸保証金・前家賃など)
開業時の実費(備品代など)約30万円
仕入れ 約50万円

計1,587万円

まあ飲食業という括りで見れば比較的安価な部類に入るのではないでしょうか。
続いて収益モデルからシミュレーションをしていきます。

やきとり大吉収支モデル

上記のように円グラフで月構成比別で表記されてます。
羅列すると以下です。

売上150万
原価46万
粗利104万
経費44.4万
営利59.6万

要はこの営利59.6万の内訳を生活費20万、貯金39.6万としているわけですね。
貯金の配分はオーナーに決めさせてもよいのでは?と思いましたが、笑
こういうのも生業型フランチャイズという感じで、
FC本部として個性があります。

ちなみに「生活費20万貯金5万で問題ない」というオーナーの場合は、
下記のように115万くらいの売上でも問題ないわけですね。

売上115.4万
原価46万
粗利69.4万
経費44.4万
営利25万

売上115万だと想定した場合、
(生業ですから)週1休み稼働26日設定で単日売上4.4万。
大概のお店が17時オープンのようですがクローズが表記なかったので、一旦25時と仮定、8時間営業。
8時間営業で1時間で5千円。
どんなにメニューが低価格で回転が速いといっても、
単価2,000円くらいは現実的でしょうから、それを踏まえると1時間3名以上で5千円を上回る・・・
つまり月の売上115万は、
生業のやきとり大吉においてはかなり現実的と言えますね。
オーナーの工夫とガッツ次第で更に上積み狙えます。
(稼働と考えると、オープン2時間前くらいから仕込みとか必要だと思うので、稼働は10時間くらいで捉えましょう)

続いて経費44.4万の内訳を見ていきましょう。
人件費 10万
水光熱 8万
雑費 9万
家賃 12万
ロイヤリティー 3.3万円 店舗家賃は店主が家主に直接払う
大吉グリラーフィー 1.1万円 店舗使用料なし  
改装積立金 1万円

人件費10万は御夫婦プラス、ピーク時稼働のアルバイトの方を想定しているのでしょう。
他も特段違和感ある数値はないですし、
ロイヤリティ3.3万ってかなり安いな~と。
いや安すぎじゃないか?と。笑

FCオーガナイザー視点で言えば、
ロイヤリティが安すぎると、
本部機能にリソースが割けず、FC全体へのブランディングや広告に投資できなく、
気付けば競争に負け続けることによる「本部&加盟店共々の弱体化」これを懸念します。

ましてや、やきとり大吉の場合、
食材の仕入れも加盟店に任せているようで、
そこに本部収益の概念も無さそうですからね。
ユーザー方式の場合の家賃収入的な側面は多少あるでしょうが、
そこまで莫大な収益ではないと思うんです。

誠に勝手ながら、いやこれ本部大丈夫か?なんて思っていたら、すぐに理由分かりましたが、
現在525店舗の規模で、本部をたった13名で運営していると。
だからロイヤリティが3.3万でも本部の運営が可能ということですね。
そして斬新だな~と思ったのは、
SV機能を各店と取引している酒販店の営業マンの皆さんが果たしているという要素。
その酒販店の営業マンの皆さんから本部へ各加盟店の状況報告を受けるスキームがあるとのことで、
これにより本部が13名でも、
500店舗以上の規模のフランチャイズを切り盛り出来ているということですね。

また、個人的にこれこそ優良FC本部たる所以!と思ったのが「改装積立金」です。
自分自身、エンドユーザーとして飲食店に行くと、
内外装をひたすら見ます。
本当に飲食店ってすぐに汚れるし、
長年やっていくと老朽化もしますから当然仕方のないことなわけですが、
エンドユーザーとして、
清潔感がない店には二度と行かないと決めてます。
おそらく一定こういう思考の方はいらっしゃると思います。
つまり、飲食店には定期的に店をメンテナンスすることを求めたいということです。
エンドユーザー視点でこういう思考を持っていた自分からすると、
この「改装積立金」はドンピシャで、
それをFC本部が仕組みとして設けているのは素敵だなと感じます。

書籍「"不滅"の小さなやきとり屋 開業・成功の極意」の中で、
以下のような印象的なフレーズが並んでます。

・「包丁すら握ったことがない・・」全く問題ありません!
・必ず成功してほしい!その思いが3ヶ月の研修に詰まってます
・店主の個性が店の個性。接客マニュアルはあえて作りません
・個人店とチェーン店の「いいとこ取り」で強い仕組みを作ってきたのが大吉です
・前夜祭で本気のダメだし。それが店主を成功に導く
・最初から売上を追わず「満足比率」を高める。それが繁盛への近道
・「個店であっても仲間がいる」それが店主の大きな励みになります

これらを読み、その背景を想像するだけで、
やきとり大吉の魅力が理解できますね。

一言で表すと「道徳的なフランチャイズという表現が適切だと感じます。
不健全なイメージが強いフランチャイズ業界で、
数少ないですが、やきとり大吉のような道徳的なフランチャイズが存在するのも事実。
加盟検討者の皆様はこういうフランチャイズを発見する選球眼を持ってほしいですし、
自分視点では、こういう道徳的なフランチャイズを多数オーガナイズし、
世に輩出し続けて、蔓延る悪質フランチャイズフランチャイズ業界のピッチから追い出すように努めます。

「やきとり大吉を改めて深堀したことで、あの案件への確信を持ちました」(←ただの独り言)
ではまた。
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書籍「日本の法人フランチャイジー」について書いた記事が取り上げられた件&書籍雑談

6月に以下の記事を執筆しました。
「日本の法人フランチャイジー」我こそはフランチャイズ業界人だ!という皆様への推奨書籍 - フランチャイズオーガナイザーのブログ

以下が紹介した書籍です。

ただでさえ「フランチャイズ」自体がニッチでコアにも関わらず、
さらに一歩踏み込んで、法人フランチャイジーについて徹底深堀をしている書籍。
全311ページにもおよぶ(グロービズMBAシリーズでも250ぺージくらい)名著です。
今後末永く日本フランチャイズ業界史で語り継がれるであろう書籍です。
フランチャイズ業界人なら必読です。

同書については、フランチャイズチャンネルでも取り上げられていました。
市場26兆円にのぼるFC事業の実態を解明する凄い本!!フランチャイズ相談所vol.1485

www.youtube.com

どさくさに紛れて自分のこともかなり持ち上げていただき大変恐縮ですm(__)m
ここ数年、毎日視聴してきた「フランチャイズチャンネル」で、
今年の4月以降は、ごく普通にぱっと自分の名前を挙げていただけるようになっていることが、
不思議であり光栄でしかないですね。感謝いたします。

さあここからが本題ですが、
今回なんと「日本の法人フランチャイジー:消費経済の知られざる担い手」の出版社である新評論さんの新刊案内のコーナーで、
なんと前述の当ブログ記事を御紹介いただきました!!

日本の法人フランチャイジー・フランチャイズブログいや~こんな事あるもんですね~。貴重な体験です。
何度か書いてますが、このブログを開始したキッカケは、大した意気込みもなく衝動的に開始しました。

www.shosasakifranchisor.com

そんなブログが今やフランチャイズ業界全体に波及し、
フランチャイズ業界の様々なメディアに取り上げられ、
今回なんと一方的にブログで紹介した書籍の出版社に着目いただき、
その記事内容を新刊案内コーナーで取り上げていただけるって不思議な感覚です。

新評論関係者の皆様、誠にありがとうございます。

shinhyoron.co.jp

そもそもは「日本の法人フランチャイジー」の著者である川端先生の素晴らしい研究のおかげです。
本当にありがとうございます。いつか御挨拶に伺いたいです。

さてさて、もう少し雑談的に書籍に付随する話を書きましょうかね。
先日、フランチャイズ業界の資金調達のプロとしてお馴染みの金原社長と打ち合わせの機会がありました。
金原社長については以下動画をどうぞ。

www.youtube.com

実は!当ブログでも開始当初くらいに(実名を伏せて)さらっと登場してました。笑
3年で100実現の影のキーマンとの会食 - フランチャイズオーガナイザーのブログ
個人的には何だかんだで長い期間お世話になってますね。
しかしまあ、いつお会いしても声量が大きい。笑
凄いエネルギーを感じる方です。結果を出す人のオーラがあります。

実際、我々のフランチャイズにおいては、継続して加盟オーナーの融資支援をお願いしてますが、
(自分も膨大な数のオーナーの融資結果を把握してますから)
現状の情報を見て「いや~この方は融資厳しいのではないか?」という方も、
金原社長の人脈とスキルとエネルギーにより予想に反して希望満額で融資がおりた・・・
なんてことは一度や二度ではないです。

少し話は逸れますが、
声量が大きいというのはビジネスパーソンとして意外に重要かなと思います。
当然TPOに合わせてボリュームをコントロールできるのが理想で、
常にどんなときも声量が大きいのは鬱陶しいときもありますが。笑
とはいえ、会議とか大勢の前のスピーチなどでは一定以上の声量がないと、
なかなか思いや熱意が聞き手に届かず、どこか頼りない印象を与えてしまいます。
経験上、ビジネスで大きい結果を残し続けている人で、声量が小さい人(エンジニア以外で)って出会ったことないです。

話を戻し、金原社長のお話。金原社長は書籍を出版されています。

前述の打ち合わせでは、書籍の話になり、出版のメリットを色々説明してくれました。
その流れで「佐々木さんも書かれたほうがいいですよ!佐々木さんなら絶対書けちゃいますから!」と軽いノリで仰っていただきました。
ただ・・・「たぶん書けないですよ?」って思いました。笑

ただでさえ仕事以外の時間を使っての当ブログ執筆で、なかなかタイトに感じているので「本は無理~!」って思ってます。
とはいえ、このFCオーガナイザーのブログを出版化するのであれば、新たな工数はさほど必要ないんですかね?
いずれにせよ、自費出版ではなく商業出版を望みますので、出版社の皆様、オファーをお待ちしてます!笑
体系的ではなく、毎度単発で思いつき順で書いているブログなので、編集が大変かもですが、オファー待ってます!

このブログをお読みいただいているフランチャイズ業界人の皆様や、
これからフランチャイズ展開を検討していたり、
フランチャイズへの加盟を検討されている皆様からのお言葉やリアクションから察するに、
フランチャイズ業界内には売れる自信あります。ちょっとだけ。
「3年で100店舗を実現するフランチャイズオーガナイズ」みたいなタイトルでどうでしょうか?
ではまた。
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優先順位を制するものは仕事を制す

これを執筆している直近で、社内メンバーの仕事ぶりを見ていて、
「それは優先順位変えた方がいいね。こっちのメールを先に返信した方がいいでしょ」
などの指摘をするケースが重なったので、
今回は改めて優先順位について書きます。
「改めて」というのは昨年11月にも同様の内容を書いているからです。

インバスケットスキル
インバスケットスキル - フランチャイズオーガナイザーのブログ

インバスケットスキル②
インバスケットスキル② - フランチャイズオーガナイザーのブログ

インバスケットスキルという切り口で2記事、執筆してます。
やはり優先順位の判断が的確な人って本当の本当に一握りです。
理解しているつもり、出来ている風、の人はたくさんいますが、
冒頭のエピソードのように、
いざそういう局面になった際には、
慌ててしまい優先順位を間違えてしまうビジネスパーソンは非常に多いですね。

これまで何度か記していますが、
当ブログをお読みいただいている方のみスキルアップして稼いでもらえれば良いと思ってますので、笑
今回は優先順位の判断精度を向上させる方法について触れていきます。

この優先順位の判断精度を向上させるには以下5つが必要です。

1,月1回インバスケットのトレーニングをする
2,読解力を磨く
3,優先順位の軸を決める
4,インバスケットスキルに長けた人に都度聞く
5,1分でも仕事を早く終わらせるという意識を強める


1,2週間に1回インバスケットのトレーニングをする
「インバスケット 書籍」と検索すると、
色々な書籍が出てきます。
結構これは個人の感覚で相性が出そうなので、
あえて推奨書籍としてのピックアップは割愛します。
いずれにせよ、フィットしそうな書籍を購入し、
2週間に1回ほど書籍内の問題を解いていきましょう。

ちなみにインバスケット研究所という商標を持たれている研究所もあったりします。
インバスケット教材開発・研修・セミナーの 株式会社インバスケット研究所
諸々の参考にどうぞ。


2,読解力を磨く
前記の「インバスケットスキル②」の記事で、
以下のように書いています。

読解力が不足している状態ですと、案件を制限時間内で読み終えても、
主訴や本質を掴み損ね、
当然ながら優先順位がチグハグになります。

読解力の向上のためには、
まず日々活字を読みまくることです。
本でもブログでも意図的に活字に触れる機会を増やしましょう。
くわえて、そもそも自身の語彙力を増やす努力をしましょう。
自身の語彙力がないと、読解力なんて向上しようがないためです。
語彙力向上の書籍は以下を推奨します。


3,優先順位の軸を決める

インバスケット

タテ軸とヨコ軸に「重要度」と「緊急度」を置き、
A・重要度が高く、緊急度も高いタスク
B・重要度が高いが、緊急度が低いタスク
C・緊急度が高いが、重要度が低いタスク
D・重要度も緊急度も低いタスク
このように整理された図です。この手のビジネス解説ではよく見る図ですね。

当然Aが優先という話なのですが、
そもそも何がAで何がBなのかの分類の判断でつまづく方が多いのではないか?と仮説を立てます。
推奨するのは優先順位の軸を定めることです。
例として自分の優先順位の軸を紹介します。

①リミット
②生産性
③トラブル(トラブルの場合→巻き込まれる人数と性質)

重要度が高く、緊急度も高い案件が一気に重なった際は、
この3つの性質でプライオリティを判断します。
まずはリミット順に整理します。
次に生産性順で揃えます。
生産性は「生産」と「損失」に仕分けが必要ですが、
いずれにせよ、金額のインパクト順で整理します。
次にトラブルです。
生産性よりトラブルが先では?という方もいるでしょう。
ですが、自分はまず会社を勝たせることを考えます。
その視点ではまず生産性が高い案件です。トラブルは事実確認に時間を要するケースが多々ありますからね。とはいえ放置ではなく、必ずファーストリアクションだけは実施しておくのもポイントです。
そしてトラブルが重なった際は、
そのトラブルに巻き込まれる人数と性質で優先順位を判断します。
この性質が仮に全て社内の人間である場合は優先順位を低くします。
社外が巻き込まれているほうが優先です。

このように日頃から優先順位の軸を定めておくと、
いざという時にスムーズなので推奨します。


4,インバスケットスキルに長けた人に都度聞く
1~3を取り組んでもなかなか最初のうちは思うように優先順位が判断できないという場合は、
最初のうちは周囲のインバスケットスキルに長けた人に都度聞いてしまうのがベストです。
「いまこれらの案件を抱えているのですが、どれから先に着手した方がいいですか?」と。
3が整理されている方に聞けば、即答で回答がもらえます。
これを繰り返していくと、
自然とその優先順位のコツが身に付いていくでしょう。


5,1分でも仕事を早く終わらせるという意識を強める
残業が苦でない、マイペースでゆっくり・・みたいな方は、
そもそもインバスケットスキルを向上させようとか、そういう発想になりにくいです。
もし該当の方がいらっしゃるようでしたら、
「1分でも仕事を早く終わらせるという意識を強める」ことから始めましょう。時間は有限です。

 

以上です。
ライトに書き始めたつもりでしたが、気付けば結構長くなってしまいました。
「優先順位を制するものは仕事を制す」ため、
働き盛りのビジネスパーソンの皆様は、ぜひ今回の内容を取り組んでみてください。
また、そもそもの部分でさほど仕事量がないという方は、仕事を大量に振られる、仕事を大量に抱える努力をしていきましょう。
そのうえでの今回の内容ですね。
ではまた。

インバスケット・優先順位

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中小企業の生産性を上げるためにフランチャイズに加盟しないといけない?!

我こそはフランチャイズ業界人という皆様、あるいはフランチャイズに興味があるorフランチャイズ勉強中という皆様、
フランチャイズ研究会・山岡会長のyoutubeチャンネル「フランチャイズ教室」を御覧になってますか?

www.youtube.com

アカデミック視点でフランチャイズを語っておられるので、非常に勉強になります。

この中でユニークな内容だった回を御紹介します。

www.youtube.com

8分42秒~から山岡先生が語っておられるように、
東南アジアのどこかの国では、
中小企業の生産性を上げるために「フランチャイズに加盟しないといけない」とか、
チェーンが何店舗になったら、そこから先はフランチャイズにしないといけない(ノウハウをシェアしなさいということ)とか、
そういう国もあるとのことでした。

いや~それは知らなかったです。勉強になります。
興味あるので少し調べてみました。

東南アジアどこか国=おそらくマレーシアかな?と。
(確証を持つまでの情報には辿り着けなかったので、山岡先生に質問したところ、山岡先生もまだ思い出せないとのことでした。笑)
マレーシアのフランチャイズビジネス事情。飲食業がトップに|フーズチャネル

上記記事にも以下のように記されています。
マレーシア政府はフランチャイズを国家成長の要と捉えており、
フランチャイズ企業は、政府から全面的なサポートを受けています。
この支援を行う背後には、他の国々でフランチャイズビジネスがGDPに大きく貢献し、
経済に活気を与えている点を政府が重要視しているからです。

おー凄い。自分が当ブログで何度も記しているように、
フランチャイズは国(日本)の経済活性化に一役も二役も買える可能性を秘めているというのは、
やはり間違いないんですよ。

日本はフランチャイズの歴史が(不二家を起点と捉えると)既に58年もあります。

フランチャイズプロデューサー・竹村先生の以下書籍を御存知でしょうか?
フランチャイズを勉強するなら、まず真っ先に、1冊目に必読すべきです)

こちらの書籍内に下記のような一文があります。

「日本人が抵抗なくフランチャイズを受け入れられるのは、昔からフランチャイズに近いビジネスを見てきたからじゃないかな?
大本山があって末寺があるお寺さんだってライセンス契約に基づくフランチャイズみたいなものだし、各地に教室があるお茶(茶道)やお花(華道)や踊り(日本舞踊)の家元制度もフランチャイズに近い。
欧米に対する憧れと、日本固有の商習慣が融合したからこそ、日本では様々なフランチャイズが急拡大して、今や(フランチャイズの)本家本元のアメリカなどを凌駕するまでに発展したんじゃないかな。」

こんな背景もあり、この58年で日本には多数のフランチャイズが誕生しました。
そしてそのフランチャイズ外側の魅力だけに惹かれ、フランチャイズをよく理解していない方々がFC本部を立ち上げてしまうケースが多かったゆえに、
悪質フランチャイズが数多く誕生してしまったわけです。

そのため、今の日本においてフランチャイズ業界の位置づけはマイナスです。
フランチャイズ業界を健全化することでこれをゼロの位置に戻し、
そこから新時代のフランチャイズが数多く誕生し、
経済が衰退している地方に良質なフランチャイズが送り込まれ、
地方創生に繋がっていく・・
地方が盛り上がってくれば、日本経済も徐々に活気が出てきます。
(都会だけが潤っても抜本的な解決になりません。日本全国を飛び回り、自分の目で地方の現状を見てきた所感です)
これをあと15年スパンくらいで実現していきたいと強く思ってます。

話を少し戻しますが、マレーシアにはフランチャイズ法もあるようです。
マレーシアのフランチャイズ
日本にもいつかフランチャイズ法が制定されるでしょうか・・・

さて、色々と話が散らかりましたが、
上記の動画内で山岡先生の仰るように、
東南アジアのどこかの国では、
中小企業の生産性を上げるために「フランチャイズに加盟しないといけない」や、
チェーンが何店舗になったら、そこから先はフランチャイズにしないといけない(ノウハウをシェアしなさいということ)など、
そういう国も存在するほど、フランチャイズというのは、
地方のみならず国という規模感で経済に影響を与える可能性を秘めた素晴らしいものだということが、
今回の記事で伝えたかったことです。
フランチャイズの使い手・仕掛け人として、
フランチャイズ業界とは? - フランチャイズオーガナイザーのブログ
責任を持って今後も「フランチャイズ業界の健全化→地方創生→日本経済の活性化」のために(しばらくは)暗躍していきます。
ではまた。

フランチャイズ研究会

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フランチャイズ関連(本部構築/FC展開/FC運営/各種コンサルなど)の御相談やお問い合わせは、
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フランチャイズ研究会「のれん分け」のプロ・髙木悠先生

のれん分けとフランチャイズ、この違いを御存知でしょうか?
のれん分けとフランチャイズの大きな違いは「加盟対象者」にあります。
具体的には、フランチャイズの加盟対象者がそれまで本部とは関係のなかった第三者であるのに対し、
のれん分けでは自社で働く社員が加盟対象者となるのです。
本質的な違いはこの1点しかありませんが、この違いが両者の制度のあり方に大きな違いをもたらします。
他、詳細を知りたいという方は、以下を参照ください。
のれん分け制度の基礎知識。のれん分けってなに?成功するためのポイントは? – フランチャイズ研究会

さてさて、ここからが今日の話題です。
以前にフランチャイズ研究会 会長の山岡先生と接点を持たせていただきました。
フランチャイズ研究会 会長 山岡先生 - フランチャイズオーガナイザーのブログ
この直後にSNSを通じて、同じくフランチャイズ研究会の高木悠先生との接点が生まれ、
「是非今度お会いしましょう!」
なんてやり取りがあったのですが、
そこから何だかんだ月日が流れてしまい、約4ヶ月後の先日にようやくお会いすることが出来ました。
完全に初対面でしたが、序盤に同い年ということも発覚し、
また、髙木先生のおっとりしたキャラクターの恩恵もあり、
すぐに距離感が縮まりました。

髙木悠先生はフランチャイズ研究会にも属されていますが、株式会社常進パートナーズの代表取締役としての顔が本業です。

johshin.co.jp

HPを見ると事業内容には下記のように書かれております。
・多店舗展開に係る各種コンサルティング
・のれん分け制度構築に関わる各種コンサルティング
・FC展開に係る各種コンサルティング

ん?フランチャイズ研究会に属しておられるけれど、
フランチャイズの色が薄いのかな?という印象を受けたので、
ズバリ直球で聞くと「あっそうなんです、FCよりものれん分けを軸として活動しています」とのことでした。
理由を伺うと、
「第三者を加盟対象とするフランチャイズでは、加盟までにお互いのことを知るための時間が限られていて、
かつ加盟者の視点もフランチャイズ事業が儲かるかどうかに偏りがちで、本部の理念を加盟者と共有する難易度が高いので、
それよりは既に信頼関係ができていて、戦力化されている社員にのれん分けをする方が強いチェーンをプロデュースできるのではないか、と考えるようになった背景です。」
と語っていました。
なるほど~、これは自分には全くない視点だったので新鮮でした。
そもそも明確な理念がないFC本部が多過ぎますからね、そういったFCに関しては高木先生の仰る通りだなと共感。
FC業界の健全化に向けて、これから自分が輩出する新たなFCに対して「理念」は必ずコミットしなければならない要素だと再認識。

一方で、理念・収益性・再現性この3軸が揃っていて、
且つ約8〜9割の方がイキイキと事業を経営できるものであれば、
それはフランチャイズとして展開するべきで、
そういうフランチャイズを適切なオーガナイズで地方に送り込み、
地方創生→日本経済を活性化したい(しなければマズイ)と強く思っており、
それを伝えると、これは共感ならびに賛同いただきました。

髙木先生もフランチャイズを正しく展開ならびに操縦できるのであれば、それは当然フランチャイズ展開した方がいいという考えで、
あくまで高木先生御自身の経験やベクトルにおいては、今はのれん分けの方がフィットしているというお話でした。

ちなみに高木先生がのれん分けに軸を置き始めた背景にはもう1つ大きな要素がある、とのことでした。
それは高木先生自身が20代の頃に大手飲食FCチェーンに在籍していたとき、
現場を数年経験したり、SVとしてFC店に臨店する中で、
飲食業の「社会的地位の低さ」「将来が見えない(キャリアアップのビジョンが描きにくい)」「長時間労働
などの現実を実感、ならびに目の当たりにする機会が多かったようです。
のれん分けという制度は、
そういう環境で働く従業員の皆様の「夢」として機能する制度で、
のれん分けを導入することで、
そういう方々がイキイキとされる姿を見ることで充実を感じますと仰っていました。
当然会社側も、社員の方が転職してノウハウを他社で発揮されるよりは、
同ブランドで独立して力を発揮してもらった方が遥かにメリットとなりますしね。

のれん分け、面白いですね~。
フランチャイズの魅力に惹かれ、
フランチャイズオーガナイザーとして日々フランチャイズを追求している自分にとって、
「のれん分け」は盲点でした。
フランチャイズと近所にあるのに、今まで魅力に気付いてなかったな~という印象で刺激を受けました。

一気にFC展開拡大を実現し、そのフェーズで従業員を大量に抱えてしまい、
拡大を減速していくフェーズのFC本部が「のれん分け」を上手に活用していくのは得策かもしれませんね。
髙木先生とは仲良しになったので、これから個人的に「のれん分け」を勉強させてもらおうと企んでます。
来年の今頃は「のれん分けオーガナイザーのブログ」になっていたらすみません。笑

大変恐縮ながら、髙木先生も当ブログをお読みいただいているようで、
自分の考えやキャラクターを御理解いただいていたので、
序盤から諸々話が早かったですが、
そのうえで今後数年スパンでの自分のフランチャイズ業界へのリーチ構想をお伝えすると、
「凄いですね!フランチャイズ業界がどんどん変わっていきそうですね~」
と仰っていただきました。
そうです、変えていくのです。

ちなみに髙木先生は書籍を出版されています!

帰り際になんと「本を差し上げます!」と気前よくプレゼントしていただきました。
(まがりDEの前田社長もそうでしたが、こういうことがさらっと出来るって男前)
本日のブログ内容で、フランチャイズとはほんの少し違う「のれん分け」の魅力も御理解いただけたと思いますので、
興味ある方はぜひ髙木先生の書籍「21世紀型のれん分けビジネスの教科書」をお読みください!
自分もこれからしっかり熟読します。

コアなフランチャイズ業界人としては数少ない同世代との良い出会いでした。
ではまた。

FC研究会・高木先生
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フランチャイズ戦術シリーズvol.2「MO制度」

さあ、やってきましたフランチャイズ戦術シリーズです。

第1回目は「ターンキー制度」を紹介しました。
フランチャイズ戦術シリーズvol.1「ターンキー制度」 - フランチャイズオーガナイザーのブログ

第2回目の今回は「MO制度」です。
御存知でしょうか?
もしローソンオーナー以外で御存知という方は、
よほどのコアなフランチャイズ業界人かコンビニフリークか新浪フリークかでしょう。笑

少しヒントを出しましたが、
MO制度とは、新浪剛史氏がローソンの社長だった時代の2010年に発案→導入された制度です。
当ブログでも何度も記しているように、
自分がフランチャイズに情熱を捧げ、フランチャイズオーガナイザーとしての道を追求するキッカケとなったのは「新浪剛史氏のローソン改革」に魅了されたから、です。
このMO制度は改革の1つの柱でした。

MO制度のMOとは、マネジメントオーナーを指します。
ではマネジメントオーナー制度とは、どんな内容なのか?
端的に表すと、
「基準を満たして選出された本部認定のマネジメントオーナーの運営店には、
従来のオーナー以上に適切な権限委譲をすると共に、SVは巡回しない」
という制度です。
詳細は以下をどうぞ。

マネジメントオーナー制度・フランチャイズ戦術マネジメントオーナー|ローソン
https://www.lawson.co.jp/company/ir/library/annual_report/2018/pdf/ar2018_P36-37.pdf

MO制度を導入すると、どんなメリット・デメリットがあるでしょう。
明朗にするべく、FC本部側のメリット・デメリット、
そして加盟オーナー側のメリット・デメリットを纏めました。

<FC本部側>
メリット
・SVの人員削減
・MOが主体的に考え・行動をするため、MO発信の現場視点の実践的なアイデアが波及されて全体の売上向上に繋がる可能性が高まる
・MOはいわばミニ本部として多店舗展開が容易になり、結果的に全体の店舗数拡大が促進される
・新たな業態の実験機能も直営ではなくMOに任せることが可能
・平常時は本部とMOの連携は強固になる

デメリット
・MOの力が強まり、本部への主張が増え、対立が生まれやすくなる懸念
・本部の加盟店への統制力が弱まる懸念
・MOとそうでないオーナーの温度差が生じ、そのケアの必要性
・MO以外のオーナーへは結局従来どおりSVの巡回は必要

<加盟オーナー側>
メリット
・MO自身が運営する地域内ローソンでは、独自の戦術発案や実行が可能
・MOに選出されると、FC本部経営陣とダイレクトのコミュニケーションが可能
・MOにはFC本部からPCを貸与され、運営店の発注状況や一覧を確認できるツールが提供されるなど、経営面へのサポートが手厚くなる
・MOになると、そのMOに雇用されている従業員はSC(ストアコンサルタント)というMO管轄内において本部SVのようなタスクを担うことが可能になるため、従業員のモチベーションに繋がる
・新業態の実験などに優先的に関与できる
・目指せMOという明確な目標を持つことができ、向上心を持ちやすいカルチャーが生まれる

デメリット
・本部とMO、本部とMO以外のオーナー、MOとMO以外のオーナー・・という3構造が生まれる→MO以外のオーナーのモチベーションが低下しやすくなる懸念
・目指せMOのカルチャーの中で、従来のコンビニよりもアントレプレナーシップが求められるため、運営のハードルが高くなる
・ある意味で本部からの評価に敏感にならざる得ない

こういったところでしょうか。

ちなみにMOに選出されるには、
品揃え・接客・清潔さこの3点に加えて総合満足度を基準とし、
全店へ年に2回、不定期でミステリーショッパーによる抜き打ちの採点があり、
そこの採点が継続的に高水準であることが必要なようです。
これはフェアで良いですし、
フランチャイズチェーンとしてお客様に対してサービスの均質性を担保することに貢献しますし、
メリットは大きいですね。

ちなみに新浪社長がこのMO制度を導入した背景には、
コンビニ絶対王者への対抗策としての思考がありました。
それは絶対王者に対して真逆から攻めるというアイデアです。

コンビニ絶対王者は、本部が頭脳を担い、加盟店が身体を担うような仕組みで、
加盟店は本部の指示どおり動くことだけが求められる「中央集権型」です。
これに対して、同じ中央集権型で挑んでも勝負にならないと判断した当時の新浪社長は、
真逆の「地方分権」を掲げ、
その戦略の実効策としてMO制度という戦術を導入したのです。いや~面白い。策士ですよ。
まだまだ新浪ローソン時代の絶対王者に対しての戦略や戦術には面白いものがたくさんあり、
これ以上書くと膨大になりそうなので、ここで自制します。笑
興味ある方は以下の書籍をどうぞ!

書籍「個を動かす/新浪剛史~ローソン作り直しの10年~」

さあ今回は、MO(マネジメントオーナー)制度というフランチャイズ戦術について紹介をしました。
これは約10年前ローソンという大企業での話ですが、
性質的には、実は小さなFC本部ほどニーズが高いと感じます。
(この戦術を上手に活用できることが大前提ではありますので御注意を)

これまでの日本フランチャイズ史には、
ターンキー制度やMO制度に限らず、多数の尖ったフランチャイズ戦術がありますので、
今後も不定期ではありますが、徐々に紹介していき、
これをお読みいただいている今後FC本部を立ち上げる皆様や、現在伸び悩んでいるFC本部の皆様の突破口になれば嬉しいなと思ってます。
※余談ですが、現在自分が率いるフランチャイズでは、幾つか独自に成功したフランチャイズ戦術があったりしますが、まだ誰も取材に来ないので、笑
それもどこかで当ブログで執筆したいと思います~

ではまた。

マネジメントオーナー制度・フランチャイズ戦術--------------------------------------------------------------------
当ブログの解説
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